農藝塾構想に至るまでの経緯
農業従事者の高齢化、遊休農地の増加が問題として取り上げられる昨今、泰阜村もその例外ではありません。
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平成21年度、NPO法人「地球緑化センター」が取り組む事業の一つ「緑のふるさと協力隊」に参加した私は、今まで農業に興味を持ち勉強してきたこ とから、派遣希望先を特に高齢化が進み、農業が危機的状況に陥っている泰阜村を希望しました。泰阜村は全国的に高齢化社会が叫ばれるようになる20年も前 から、既に高齢化社会を迎えていました。それに拍車をかけるように、農業の衰退、遊休農地の増加が進み、現在に至っています。 泰阜村はその立地条件から、耕作できる土地が少なく、また交通の便も悪い、農業で生計を成り立たせるには難しい環境にあります。しかし、過去の歴史 を紐解くと、1農協で1億円近い売り上げを出したことがあります。特殊な環境にありながらも、それだけの数字を出せるということは、農業で生計が成り立つ 可能性がゼロではないことを示唆しています。 |
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そんな泰阜村で、ボランティアとして集落訪問や農作業のお手伝いなどの活動をさせてもらう中で出てきた話が、「農藝塾構想」なのです。
泰阜村に若い人が集まり、実学を中心とした農業研修を通じて、将来的には新規就農者として巣立つ、そういった組織、仕組みをつくろうと計画しました。
そのために、まずは新規就農を目指す若い人が就農1年目からでも生計が成り立つことを示したい。具体的には年収200~300万円手元に残るような、そんなモデルケースをつくることに、22年4月から取り組み始めました。
具体的に何をやっているの?
泰阜村は耕作できる土地が少ないため、生計を成り立たせるためには、付加価値の高い高品質作物の生産と、収穫までのサイクルをできるだけ早くする必要があります。
その二つを解消するのが「移植栽培」です。
移植栽培とは、種を撒き、苗を育てて一定の大きさになったときに畑に植える栽培のこと。こうすることで、畑に作物がある期間を短縮できるため、結果として、回転数を上げることができるのです。
また「ソイルブロック」といういくつかの土を混ぜ合わせてつくるブロックに種を撒き、移植しています。
ブロックが土でできているので、そのまま畑に植えることができるうえ、土は畑に還るので、無駄がありません。さらに、ソイルブロックでつくると発根 量を増やすことができるため、特に葉物類に見られる独特の苦味、えぐ味を抑える、つまり高品質作物を生産することができるのです。
高齢化が進む泰阜村では、夏場を中心としたほうれん草の周年栽培に取り組んでいます。ほうれん草自体が軽いので、労働負担が少なくてすむなどの利点があります。

課題
私がボランティアとして泰阜村に来た年に、泰阜村でほうれん草の移植栽培がスタートしました。
直播栽培と違い、苗の管理、定植後の活着促進などが課題として挙げられます。
特に、冬場の野菜(ほうれん草)を夏場につくるため、遮光ネットを利用したり、扇風機を使って苗床の温度管理をするなど、以下に生育適正温度に近づけるかが大事になってきます。
文章で書くのは簡単ですが、実践となると、単純にはいきません。
昨年は夏場の苗生産に失敗。今年は苗づくりまではうまくいったものの、異常気象によりほうれん草にとって苛酷な環境となったため、虫害などで一部収穫に至らないケースがありましたが、それらの原因を追究し、対策を考え、一つ一つ改善しています。
徐々にほうれん草の出来が良くなるように、がんばっているところです。

今後の展望
農芸塾を通じて村に若い人がどんどん集まり、新規就農者が育っていくこと。これが一番の目的であり、その結果、村が活気づくのが理想だと思っています。
そのために、農芸塾を通じて、「今なら畑として十分利用できるがつくり手がいないので近い将来使えなくなってしまう畑」や既に遊休農地になってしまっている土地をうまく管理して、新規就農希望者等へ提供し、新規就農希望者がやりやすい環境をつくることが必要だと思います。
地域おこし協力隊 川上和浩














